プラスチックと創る
新しい未来のカタチ
~プラスチックとの共存~
環境問題でクローズアップされる機会の多い「プラスチック」。
最近では「脱プラスチック」という言葉を耳にする機会も多くなってきています。
はたして、私たちはどれだけプラスチックとそれを取り巻く環境に
ついて正しく理解をすることができているでしょうか?
当メディア「プラミライ」では、
プラスチックとともに持続可能な社会を築いていくための情報を発信していきます。
環境問題でクローズアップされる機会の多い「プラスチック」。
最近では「脱プラスチック」という言葉を耳にする機会も多くなってきています。
はたして、私たちはどれだけプラスチックとそれを取り巻く環境に
ついて正しく理解をすることができているでしょうか?
当メディア「プラミライ」では、
プラスチックとともに持続可能な社会を築いていくための情報を発信していきます。
プラスチック製品を成型するための押出機などを開発している機械メーカー。時代のニーズに合わせた装置の開発や製造、販売を行っています。
CTEの取締役。プラスチックを環境問題と共存させ、3Rやバイオマス・生分解樹脂加工などの取り組みを軸にサステナブルな社会実現に少しでも貢献したいという思いを掲げています。
ITと語学事業を中心に事業を展開しているZenkenは、さまざまな市場において専門メディアを立ち上げている会社です。
いま起こっている気候変動や環境問題の解決を願い、立ち上げた編集チーム。シーティーイーの「プラスチックを減らすのではなく、どう環境問題と共存するか」という考えに共感し、監修を依頼しました。
弊社ではSDGsが叫ばれる前から、バイオマス原料を使用した押出機の混練に携わっております。当初はここまで環境問題が大きく取り沙汰されておらず、バイオマスプラスチックはほとんど認知されていませんでした。
脱プラスチックやSDGsもそうですが、大事なのはプラスチックを減らすことではなく、どのように環境問題と共存するかだと我々は考えます。とはいえ、バイオマスプラスチックの導入がなかなか進まない背景はいくつかありますので、次はそこを解説していきます。
軽くて強く、曲げることができるプラスチックはさまざま用途に使われており、現代の衛生的な暮らしや安全な暮らしを支えています。
しかし、そうした石油と天然ガスで作られたプラスチックを燃焼する際にCO2が排出されて地球温暖化が進行し、適切に廃棄されなかった場合に河川に流出したプラスチックは環境汚染を引き起こします。
そうした環境問題に歯止めをかけるべく、化石燃料由来のプラスチックに代わって新しく登場したのがバイオマスプラスチックです。
大きく4種類に分かれるプラスチック(下図)のなかで生物由来のものがバイオマスプラスチックと呼ばれ、いま注目を集めています。
植物などの再生可能な有機資源を原料とするバイオマスプラスチックは、トウモロコシやサトウキビといった植物が原料となっています。
焼却処分の際にはCO2が発生しますが、原料となっている植物に含まれていたものなので大気中のCO2量は差し引きゼロで、カーボンニュートラルの状態になります。
自然界に存在する微生物の働きによって「水」と「CO2」に分解され、最終的に自然へ還る性質を持つプラスチックのこと。
微生物が分子レベルまで分解してくれるため、海洋マイクロプラスチックの抑制に効果が見込めます。日本では主に自然環境のなかで使用される農業用マルチフィルムなどで利用されています。
バイオマスプラスチックは発展途上の段階ではありますが、これからもSDGsや脱プラスチックの観点からどんどん研究開発がなされ、増えていくのは間違いないと考えています。バイオマス・生分解性樹脂の特性からプラスチックが自然分解できるようになれば、いま起きている環境の問題も大きく変わっていくはずです。
大事なのはプラスチックを減らすというよりも、プラスチックを使いながらどう環境問題と共存していくか。その意味ではバイオマスプラスチックが進む要因や環境問題や、プラスチック自体の正しい理解も大事になってきます。
石油や天然ガスから作られたプラスチックの廃棄により起きている問題があります。ひとつが海の環境汚染・生態系への影響、もうひとつがCO2排出量増加による地球温暖化です。
漁網、ロープ、ブイなどの漁具を中心に、適切に処理がされず環境中に流出したプラスチックは海の生態系に影響を与えており、国際的な問題になっています。流出したプラスチックごみは小さなプラスチックの粒子(マイクロプラスチック)となり、食物連鎖を通じて多くの生物に取り込まれているのです。
従来の化石燃料で作られた非生分解性プラスチックは長きに渡り海に残り続け、2050年にはマイクロプラスチックの質量は世界中の魚や貝などの質量よりも多くなるという予測もあります。
地球温暖化の原因のひとつが、プラスチック廃棄物の燃焼処理によるCO2の放出が挙げられます。世界中のゴミ焼却場で大量のプラスチックが燃焼処理されており、このままいくと2050年にはCO2排出量が2,800億トンを超えるとの試算もあります。
気温変動予測では2100年の気温は2度上昇するとも言われており、熱帯夜の増加や台風の強度の上昇、平均海水面水の上昇、降水量の増加など、さまざまなマイナス影響が示唆されています。
こうした環境問題から日本においても、プラスチックとの関わり方が見直され、環境省と経済産業省、農林水産省、文部科学省の4つの省が合同で、持続可能なバイオプラスチックの導入を目指した「バイオプラスチック導入ロードマップ」を策定。2030年までにバイオマスプラスチックを200万トン導入することを掲げています。
しかし、2022年8月時点で国内のプラスチック市場に占めるバイオプラスチックの割合は0.4%ほどとなっており、プラスチックに比べて製造コストが高く、耐久性が低いバイオマスプラスチックは、まだ普及が進んでいない状況です。
バイオマスプラスチックの導入率はまだまだ低く、このままでは海洋プラスチックごみ問題も温室効果ガス排出量もなかなか減りません。ここに歯止めをかけるには、なによりもプラスチックの成形段階から変革していくことが大事になってきます。
しかし、同時に私たちが向き合わなければならない環境問題は
バイオマスプラスティックのみによる解決は不可能なことにも注意が必要です。
現在、最も生産されている石油由来のプラスティックを適切に廃棄をし、再利用するための仕組みづくりとその実行があってはじめて、問題解決につながります。
そういった意味で我々、一人ひとりの環境への意識をいかに高めていくのかということが非常に重要となってくるのです。
バイオマスプラスチックの導入は、環境問題の改善に繋がるだけではありません。なにが地球にとって正しく、優しいことかをしっかり考えながら企業活動を行っていくことが大事で、その結果、導入する企業としてもさまざまなメリットを得られるはずです。
先進国も積極的に取り組んでいる持続可能な開発目標SDGs。バイオマスプラスチックを活用することで、SDGsが掲げる17の目標のなかのいくつかの解決につなげることができます。
「すべての国が一人当たりの食品廃棄量を全体で半分に減らし、化学物質や廃棄物が大気中や水・土壌への流出を食い止め、3R(ゴミの削減・再利用・資源化)の促進を目指す目標」。
使い捨て容器としての用途が多いプラスチック製品は不法投棄されやすく、ごみとして環境に流出しているのが現状です。
その点でバイオマスプラスチックは石油が原料となっているプラスチックと違い、焼却処分時に排出するCO2排出量を抑えることが可能。
重要なのは大量生産・大量消費・大量廃棄型のプロセスから脱し、生活に必要な素材を必要な分だけつくり、使用後は可能な限りその素材を再利用すること。廃棄する際も自然環境になるべく負荷をかけないようなプロセスの構築に寄与していくことが重要です。
バイオマスプラスチックに移行することで廃棄物量の削減化石燃料を使わなくなり、エネルギー資源の枯渇といった世界の問題にも寄与できます。
「気候変動を起因とする危険や自然災害に対する備えを強化し、災害に強く、災害から回復する力を高めることを目指す目標」。
CO2を大量に排出する石油原料プラスチックから天然由来のバイオマス原料プラスチックへ移行することによって、CO2などの温室効果ガスの排出量を抑制。
バイオプラスチック複合材の活用は、日本をはじめ世界中で起こっている集中豪雨や山火事など、気候変動に伴って発生している自然災害を抑えるための対策として期待されています。
「海洋汚染の主な原因となるヒトの活動を改善し、汚染を防ぎ、生態系に悪影響を与えないよう、健全で生産的で持続可能な海洋、および生態系の保護と回復を目指す目標」。
微生物の働きで分子レベルまで分解し、最終的にCO2と水になって自然に還っていく生分解性プラスチックを使用することにより、生態系への影響を減らすことができます。
海を汚染している海洋プラスチックや水産資源の減少、サンゴ礁の絶滅危機など、さまざまな海洋問題の解決に繋がります。
バイオマスプラスチックには大きく3つの課題があります。それが「供給が需要に追い付かない」、「原料調達のコストがかかる」、「化石由来のプラスチックに比べて耐久性や強度が低い」というもの。とはいえ、解決できない問題でもありません。
プラスチックと原料を加工しコンパウンド化する押出機。その押出機ならバイオマスプラスチックの機器不足・コスト・強度といった課題の解決に寄与ができます。詳しく見ていきましょう。
サトウキビ、トウモロコシ、キャッサバといった原料は複数あるものの、それをバイオマスプラスチック化する機器が少ないのが現状です。バイオマスプラスチックであるバイオPEや、バイオPET、バイオPPは商用化に適した製造技術などが実証されておらず、製造量増加に向けた製造設備の整備が進んでいません。
押出機にはいま、さまざまな原料と組み合わせて混練できる押出機が開発されています。また、押出機でどれだけの吐出量を出せるかという点も重要。
押出機内はとても高温になるため、入れた樹脂がコンパウンドで焼けてしまったり劣化したりもしますが、スクリューのデザインやダイの形状、樹脂の性能、温度設定に加え、高吐出量の押出機なら量もカバーができます。
バイオマスプラスチックは化石由来のプラスチックに比べて生産量に100倍近くの差があり、生産コストが高くなっています。
生産量増による量産効果でコストが下がりますが規模拡大にはもう少し時間がかかりそうです。
構造的に多くのバイオマスプラスチックは従来の化石資源由来プラスチックより高コストにはなりますが、高性能の押出機を使うことで少なからずカバーができます。
その高性能とはたとえば、水分を含んだ木粉を自然乾燥せずにそのまま押出機に入れても高フィラーのコンパウンドができるなどです。別工程を挟むことなく押出機に素材を入れられれば、トータルコストを下げられます。
バイオマスプラスチックは化石由来のものよりも化学構造が単純なため強度が低く、耐熱性が100度以下の素材が大半で、肉厚や寸法安定性といった加工方法もまだ十分に確立されていません。
高い混練性や低温の押出が可能な押出機なら、強度や耐熱性といったバイオマスプラスチックのデメリットを限りなく小さくできます。
そうした押出機ではフィラー濃度70%以上可能で、物性の向上や機能性の付与につながっていきます。
シーティーイーはプラスチック製品をコンパウンドする押出機などを開発している樹脂機械メーカー。創業から培ってきた高い技術力を駆使し、時代のニーズに合わせた装置の開発や製造、販売を行っています。
持続可能なプラスチックの未来をつくっていくため、エコロジー対応の押出装置の開発も手掛けており、自社で特許を保有している製品をはじめ、周辺機器についても幅広く対応。低コストでありながら高性能で高品質な機械を提供しています。
スクリュー径の異なる5つのタイプを展開。バンバリミキサタイプの複数の高速ロータによって、同方向2軸押出機を越えた高い混練性を実現しています。混練や真空脱気の後、単軸で押出すために過混練がなく、従来の2軸機と比較すると樹脂温度が10~20℃低い低温押出しができ、ゴミとして排出されたプラスチックをもとにした押し出しにも向いています。
広範囲の樹脂の混練加工に対応するほか、省エネルギーで省スペースな2軸混練押出機となっています。世界に誇れる操作性・性能の高さが魅力です。
押出機ではスクリューが高速回転しているので入れた樹脂の温度が上がってしまいます。
樹脂の温度が上がると「劣化」が始まってしまい、それが二軸押出機の問題点にもなっています。弊社の二軸押出機は、先端はスクリューが1本になっているので劣化を限りなく小さくすることが可能です。
PP+微粉タルク(80%)
PP or PE +
水酸化マグネシウム(50〜60%)
PP、PE、ABS or
PVC+木粉(50〜70%)
高フィラーコンパウンドを実現するうえで、機械的に一番難しいのが「ガス」です。押出機の機構上まず樹脂を溶かすために、高温度で原料に温度をかける必要があります。その際に高温にさらされた樹脂や無機物有機物は大量の「ガス」を発生しています(多くは水分)。
一般的な二軸押出機はその際に大量のガスを外に出す機構がなく、押出機に入れる前に原料を事前乾燥させる必要がありますが、弊社の機械はガス抜けが良い機構で作られているため事前乾燥が不要です。
また、弊社独自の混練機構により樹脂を痛めつけずに練ることができる製品となっています。
設立 | 平成5年(1993年)1月 |
---|---|
所在地 | 埼玉県上尾市日の出3-4-5 |
電話番号 | 048-778-0393 |
プラスチックはこれからも社会に大きく貢献できる原料です。その原料をいかに再利用し、好循環(アップサイクル)できるかが課題でしょう。
日本国内は欧州に比べてまだまだ環境への意識が低いのが現状です。我々が肌で感じている温暖化や環境変化(局所豪雨の増加、山火事増加など)は着実に進んでおり、その問題をしっかり考えていかなければ、未来の子供たちの生活が危ぶまれます。
今取り組まないといけないのは「環境問題に対して今自分にできることはなにか」を考え、行動することでしょう。
このメディアを通して、少しでも環境問題を一緒に考え、その解決に向けて動いていく人が増えることを願います。
ここではバイオマスプラスチックの加工事例と原材料の特徴などについてまとめています。
デンプンがとれる穀物の生産量は全世界で約18億トンと多く、トウモロコシは年間4億トン以上とも言われています。天然高分子であるため、原材料としての基本特性とある程度の成形加工性を備えているのが魅力。コンパウンド事例とそれを実現できる押出機を紹介しています。
PBATは石油由来ですが、良好な生分解性を備えているのが特徴。PBATとポリ乳酸を混ぜたバイオマスプラスチックが開発されており、たとえば農業用マルチフィルムや発泡容器などが挙がります。PBATのコンパウンド事例とそれを実現できる押出機を紹介しています。
セルロースナノファイバー(CNF)は炭素繊維よりも軽量で、鋼鉄の数倍の強度があると言われています。また、低コスト化の可能性も秘めており、研究開発が進んでいます。セルロースナノファイバーのコンパウンド事例とそれを実現できる押出機を紹介しています。
食品の容器やスマホ、車、家電製品などさまざまなところに使われているプラスチックは、いまや生活に不可欠です。ただ、化石由来のプラスチックの活用や廃棄の仕方には改善の余地が大いにあり、地球の環境が待ったなしで悪い方向へと進んでいる今、もう見て見ぬふりはできません。バイオマスプラスチックは環境に配慮されたプラスチックであり、その促進に当メディアが寄与できれば幸いです。
そして今後より重要になってくるのは、一人ひとりがプラスチックの理解を深めることではないでしょうか。プラスチックをつくる側も使う側も意識が変われば、きっと地球環境はプラスの方向へと向かうはずです。
当サイトで監修いただいたシーティーイーは、「環境問題を一緒に考えていく人をもっと増やしていきたい」という強い思いを抱えている企業です。シーティーイーが開発した押出機を使ってプラスチックを変えていきたい、一緒に環境問題に取り組んでいきたいという企業様は、ぜひ一度シーティーイーに問い合わせてみてはいかがでしょうか。