低かさ比重の原料で発生するフィードネック
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かさ密度の小さい原料を押出機で処理する際のフィードネックの課題と、従来の押出機の問題点、そしてそれを解決する押出機について解説します。
このページで分かること
- 低かさ比重の原料で発生するフィードネックの課題
- 従来の押出機の課題
- フィードネックの悩みを解決する押出機
かさ密度の小さい原料を押出機で処理する際、最も厄介な現象の一つが「フィードネック」です。これは原料が抱え込む空気が押出機内で十分に排出されず、原料の食い込みが悪くなり、押出機の原料ホッパーで原料が詰まる現象を指します。
フィードネックが発生すると、原料供給が不安定になるだけでなく、処理量の低下や製品品質のばらつきといった深刻な問題へと発展します。特に環境対応素材やリサイクル材料の需要が高まる現在、この課題の解決は製造現場にとって避けて通れない重要事項となっています。
かさ密度の小さい材料の例
リサイクル原料
PETフィルム
- 各種樹脂繊維粉砕品
- PETフィルム・シート粉砕品 など
無機フィラー
微粉炭酸カルシウム
マイカ
有機フィラー
木粉
セルロースナノファイバー
- 木粉
- セルロースファイバー
- カーボンファイバーなど
従来型の二軸押出機の限界
従来の噛み合い・同方向回転型の二軸押出機には、構造上の制約があります。2本のスクリューが噛み合いながら同じ方向に回転するため、スクリュー間に隙間がほとんどなく、ガスの逃げ道を塞いでしまうという致命的な欠点を抱えています。
さらに、混練に使用されるニーディングディスクは、高速回転・高圧縮状態で連続的に強いせん断力をかけるため、大きな発熱を伴います。
かさ比重の低い原料ほど空気を多く含むため、このような構造ではニーディングディスクがガスや空気を遮断し、原料供給部で逆流します。結果として、安定した連続運転が困難になり、生産効率の大幅な低下を招いてしまうのです。
脱気性の優れた押出機を紹介
シーティーイーのHTM型2軸混練押出機
こうした課題に対する画期的なソリューションが、シーティーイーのHTM型2軸混練押出機です。この装置は「異方向回転・非噛合い型」という独自の構造を採用しています。
HTMの最大の特徴は、2本のスクリューが互いに噛み合わず、逆方向に回転する点にあります。スクリュー間に適度な空間が確保されるため、ガスがスムーズに逃げることができ、優れた脱気性能を発揮します。
また、混練はローターエレメントで行うため、瞬間的な高せん断は実現しながらも、せん断と圧縮はすぐに開放されるため、発熱を最小限に抑えることが可能です。
さらに、原料供給部にリアベントシステムを備えているため、かさ比重の低い原料でもフィードネックの発生を根本的に防ぎます。この構造により、供給部の原料の食い込みが改善し、従来の押出機と比較し高吐出量を実現しています。
HTM型2軸混練押出機が解決する押出機の課題
HTMが解決するのはフィードネック現象だけではありません。押出工程で起きやすい以下のような問題にも対応できます。
樹脂劣化
HTMタンデム式押出機は混練部でのせん断発熱を効果的に抑制し、後段の単軸押出部で独立温度制御を行える構造になっています。この特長により、実運転温度を低く設定しながら、優れた分散性と高吐出を両立できます。
タンデム構成では単軸部の回転数も独立制御できるため、より低温・低せん断での押出が可能となり、熱に弱いバイオマス樹脂や生分解性樹脂の処理にも最適です。
樹脂劣化の抑制のポイント
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ローターによる混練
ローターで混練することで、瞬間的に圧縮とせん断がかかった後、開放され、それを繰り返すことで混練するため発熱が少ない。
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タンデム式
単軸部が独立しているため、温度とスクリュー回転数を低くすることが可能であり、押出部分でのせん断発熱を抑制できる。
分散不良
非噛合い構造により生まれる独特の混練メカニズムは、フィラーの均一分散にも威力を発揮します。ローターエレメントによる瞬間的な高せん断と、圧縮・開放の繰り返しにより、せん断力は大きいですが、発熱は少なくなります。
凝集しやすい微粉フィラーも効率的に分散させることができます。これにより、高濃度フィラー配合においても、優れた物性を持つコンパウンドの製造が可能になります。
まとめ
かさ密度の小さな原料における大きな課題であるフィードネック現象。この問題は、単なる供給トラブルにとどまらず、生産性や品質に直結する重要な問題です。
シーティーイーのHTM型2軸混練押出機は、異方向回転・非噛合い構造という革新的な設計により、この課題に対する解決策を提供します。優れた脱気性能によりフィードネックを防ぎ、同時に樹脂劣化の抑制や分散性の向上も実現します。
従来機での限界を感じている方は、ぜひHTMの導入を検討してみてはいかがでしょうか。無料の導入テストも受け付けているので、以下のフォームから気軽に相談してください。
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