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バイオマスプラスチックの原料

再生可能な生物由来の資源で作られているバイオマスプラスチックの主な原料について調べてみました。化石燃料由来のプラスチックを使わないことのメリットや、物廃棄処理の合理化についても紹介しています。

目次

バイオマスプラスチックの主要な原料

バイオマスプラスチックの原料は、トウモロコシやサトウキビなどのデンプン、トウゴマのひまし油などが用いられています。たとえば使用されるトウモロコシは人間の食料としては使用されない品種で、デントコーンと呼ばれる家畜用飼料などで使われているものになっていたり、サトウキビは砂糖を作る際に副生する廃糖蜜を使っていたりと、可食植物でも人が食べられない部分を活用して製造されています。

バイオマスプラスチックの原料に使用されている主な植物

  • トウモロコシ
  • トウゴマ
  • サトウキビ
  • ヒマ
  • サトウダイコン
  • キャッサバ
  • パームヤシ
  • ダイズ
  • イネワラ
  • ネピアグラス
  • ヤシ穀
  • 微細藻類

化石資源由来のプラスチックを製造しないメリット

これまで多くのプラスチックで使われてきた化石燃料から、バイオマスに原料を変えるという取り組みが進んでいます。そのメリットをまとめました。

CO2排出量を増やさない

バイオマスプラスチックの原料となるバイオマスは、成長過程における光合成によってCO2を吸収しています。焼却処分の際に生じる二酸化炭素は植物の栽培時点から考えると、バイオマスを再生産する限り大気中のCO2は増減しないという特性があるため、バイオマスを原料としているバイオマスプラスチックには、焼却する時に排出されるCO2の抑制に役立つことが期待されています。

化石資源の枯渇化を防ぐ

プラスチックは主に石油由来の原料が使用されており、化石資源の枯渇が懸念されていましたが、バイオマスプラスチックは再生可能な有機資源を原料としているため、再生不能な化石資源などの枯渇性資源の使用を削減することが可能

バイオマスプラスチックは資源を循環して利用することができるため、化石資源の代替素材として注目されています。

プラスチックごみの削減

海域などの自然環境へ流出してしまうリスクがある製品を製造する際は、自然環境下に残存しない生分解性プラスチックを使用することが重要です。環境中に意図せず流出した場合でも比較的短時間で分解されるため、長期間プラスチックが残留することを防ぎ、環境中に滞留しているプラスチックごみや海洋プラスチック問題の改善に寄与します。

廃棄物処理の合理化

バイオマスプラスチックを活用することで、廃棄物の処理コストの削減や、資源の回収を合理化に繋がります。たとえば、生分解性プラスチック製の袋で生ごみを回収し、微生物の力で袋ごと堆肥化・バイオガス化処理を行い、農業用マルチフィルムを生分解性プラスチック製のものにすることで、使用後は土壌に漉き込んで微生物によって土中で分解させることが可能。使用後のフィルム回収の手間やコストを削減ができます。

バイオマスプラスチックはこんなところで使われている

ほとんどのプラスチック製品をバイオマスプラスチックに代替することが期待されていますが、とくに衛生上の観点から、焼却処分しなければならない可燃ごみ袋やマスクといった衛生用品をはじめ、生分解性プラスチックにおいては、海洋や土壌の自然環境で流出する可能性が高い用途で使用される漁具等の水産用資材、農業用マルチフィルムなどで積極的な普及が求められています。

原料の高コスト課題を解決する方法は?

プラミライ編集チームより

バイオマスプラスチックは地球温暖化の防止に役立つとともに、生分解性であれば廃棄時の環境負荷軽減につながるメリットの大きいものです。しかし、国内市場におけるバイオマスプラスチックの使用量は5万トンに足りず、シェアはわずかに0.4%程度にとどまっています。その理由としては生産コストがかかることやプラスチックの質が低くなるという点が挙げられるでしょう。

そうした課題に対して、安価なバイオマス資源でも品質の高い状態で混練できる加工機を提供している会社があります。それがシーティーイーです。バイオマスプラスチックを早くから取り入れていたシーティーイーにお話を伺いました。

参照元:日本野鳥の会(https://www.wbsj.org/activity/conservation/law/plastic-pollution/article/2020-11-12/)

【プロの目で読み解く】バイオマスプラスチックの課題解決の機器は?

取材協力
事前乾燥不要で、樹脂を痛めずに練れる設計
株式会社CTE
CTE
伊藤勝人

バイオマスプラスチックは物性が石油由来のプラスチックと比べると低くなります。たとえば汎用樹脂と木粉を混ぜてウッドプラスチックデッキなどを作る場合、本来ならば樹脂分を少なくすることで環境に優しくはなるものの、木粉量が多くなるとその分強度が脆くなりデッキに向かないなどが起きてしまいます。

また、生分解性樹脂は生分解性樹脂の特性上(微生物の働きにより分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質)、場合によっては途中で分解が始まり、長期使用に向かない場合もあるのが懸念です。

そうした課題を弊社の押出機なら解決できる可能性があります。押出機の難点になっているガス発生をできる限り防ぐ設計になっているため、入れた樹脂の事前乾燥がなくコスト削減に繋がりますし、独自の混練機構により樹脂を痛めつけずに練ることができる製品となっているので高フィラーコンパウンドを実現できます。

シーティーイーとは?

合成樹脂(プラスチック)を成型・加工する押出機という機械を設計から製造まで手掛けている機械メーカー。埼玉県上尾市に本社と工場があり、多彩な押出機関連装置から周辺機器・コンパウンドシステムエンジニアリングまで、幅広い技術を供給しています。 押出機に精通しているため、設計や製造だけでなく自社でサポートから保守、メンテナンスまで一貫して行っており、アフターサービスも充実。高品質な製品をリーズナブルな価格帯で提供しています。

シーティーイーの押出機とは?

高速回転の連続多列ロータースクリューを備えたことで、高い押出能力を持っており、単軸で押出すため過混練がなく従来の2軸押出機より樹脂温度が10~20℃低いのが特長です。

また、セグメント化されたスフィラー濃度70%以上可能なバンバリミキサタイプの複数の高速ロータによって、高い混練性と可塑化能力が高まり押出量がアップ。2軸混練機と単軸押出機を同軸化しているので、省エネルギー・省スペースを実現しています。

シーティーイーをさらに詳しくみる

公式HPでCTEの押出機を見る