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PBAT

石油由来の生分解性プラスチックであるPBAT。その特徴とともに、PBATの課題を解決する押出機を提供しているプラスチック加工機器メーカーのシーティーイーを取材しました。

目次

PBATとは

PBATはポリ・ブチレン・アジペート・コ・テレフタレートの略で、脂肪族芳香族共重合ポリエステルに分類されます。

生分解性プラスチックのなかでは柔軟かつ強靭で、耐加水分解性も優れているのが特徴。用途としては柔軟フィルムに使われるほか、他の生分解性プラスチック、とくに植物由来のスターチ・ブレンドやポリ乳酸の改質材としても利用されています。

また、発泡させて緩衝材として利用する方法も増えてきています。

PBATのメリット

  • 柔らかくて伸縮性がある
  • コンポスト化での生分解性が高い
  • 合成ポリマーのため、大量生産に向いている

PBATが使われる主な用途

  • レジ袋
  • 農業用のマルチシート
  • 土地・建設資材

PBATのプラスチック加工事例

PBATとポリ乳酸(PLA)を混ぜた事例。PBATは石油由来ではありませんが、生分解性を備えています。一方、PLAは植物由来で生分解性があるためカーボンニュートラルとなります。

PBATにPLAを混ぜることで、CO2の発生量を減らしつつ生分解する軟質フィルムとしての実用化が進んでいます。ヨーロッパで採用されているのが、レジ袋や農業用途です。

畑でのマルチフィルム使用例もあり、黒色にすることで保湿効果を持たせ、土壌の保湿を実現しつつ、肥料の流出を防いで作物の生育を促しています。

PBATのプラスチック加工事例2

PBATとPLA混合素材を発泡させた梱包箱。使い捨て根本資材や発泡スチロールの代替として期待され、海洋プラスチック削減に効果があると考えられます。

今後想定されるのが、魚介類や果物といった梱包箱や資材への利用。食品接触時の安全性を確立できれば、総菜容器やカップ麺容器への展開にも広がるかもしれません。

PBATのプラスチック加工とは?

プラミライ編集チームより

コンポスト袋やマルチフィルムといった用途で、欧州を中心に普及がしているPBAT。ただ、まだ強度が足りない、生分解性の早すぎたり遅すぎたりといった課題もあるそうです。そうした課題を解決するうえでカギを握るのが、コンパウンド段階での質の向上。画期的な押出機を提供しているプラスチック加工機械メーカーのシーティーイーを取材しました。

シーティーイーの押出機とは

シーティーイーの二軸押出機は、高速ロータ多列型(セグメント)2軸混練機と単軸押出機を同軸にドッキングして改良。従来の2軸押出機以上の高吐出・低温押出を実現しています。高濃度フィラーコンパウンド、マスターパッチ、ポリマーブレンド、複合樹脂コンパウンドに適しています。

PBATのプラスチックコンパウンド事例

セルロースナノファイバーの事例
PBAT+炭カル+添加剤

【プロの目で読み解く】なぜ高フィラーコンパウンドができるのか

取材協力
なにが地球にとって正しく、優しいことかをしっかり考え企業活動を行っていく
株式会社CTE
CTE
伊藤勝人

我々が実現できるのが、高フィラーコンパウンドです。その考え方は昔からありますが、いま環境問題と一緒に考えられている理由が、樹脂比率を下げ、無機物・有機物を高配合することにより環境問題に取り組もうという企業が増えてきているからです。

高フィラーコンパウンドが機械的に一番難しいところが「ガス」。押出機の機構上、まず樹脂を溶かすために高温度で原料に温度をかける必要があります。その際、高温にさらされた樹脂や無機物・有機物は大量の「ガス」を放出します(多くは水分)。

一般的な二軸押出機はその際に大量のガスを外に出す機構が十分でなく、押出機に入れる前に原料を事前乾燥させる必要がありますが、弊社の機械はガス抜けが良い機構に作っています。そのため事前乾燥が不要で、弊社独自の混錬機構により樹脂を痛めつけずに練ることができる製品となっています。